はりきゅうふくた 丁寧な治療を心がけてます(鍼灸・福岡・早良区)

   お灸と鍼で病気を治す   

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福岡

灸頭鍼の艾玉作り

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久しぶりに灸頭鍼の時に使う艾玉作りにいそしみました。
ラジオなどを聴きながら、こういう単純作業をするのって…なんか好きなんですよねぇ~。
出来た艾玉をカメラで接写してみると、なんだか電子顕微鏡で見たウイルスのようにも見えてきます。
(密集恐怖症の人には嫌な映像かも… (^-^;) )

灸頭鍼って鍼の柄の所に丸めた艾をくっつけて燃やすんですが、ほどよい暖かさが、何ともいえない気持ちよさを感じさせてくれます。心配性な人は「落ちたら火傷しちゃうじゃん!」と言う人もいますが、艾は炭化する際に凝縮するので鍼の柄にくっつく感じで燃え尽きます。なので落ちることはありませんし、特に僕が使っている灸頭鍼用の艾は、他の灸頭鍼用の艾とは違い凝縮化しやすい艾なので心配いりません。だから安心して灸頭鍼の治療を受けられて下さい。

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捻挫に刺絡

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まずは捻挫と打撲の違いについてですが…
捻挫は可動域以上の負荷が関節にかかり傷めてしまうものを言い、捻ったりした方向に動かすと痛みが酷くなったりします。打撲は転んだり、何かにぶつかったりして組織を損傷してしまったものを言うんですが、ともに症状が酷い場合には靱帯や骨にまで損傷する事があるんです。

まぁ~どの症状や病気にも程度というモノがあるので、軽い捻挫や打撲もあれば、重傷化する捻挫や打撲もあるわけです。現代医学の基本的な考え方としては、軽度のものだとRICEと言って1.Rest(安静) 2.Ice(冷却)3.Compression(圧迫)4.Elevation(挙上) を基本処置としています。

基本的には皮膚表面に腫れや炎症などの変化が見られなくても、内部で内出血や炎症が起こっている場合もあるので、損傷部位を拡大させない為にも、とりあえず初期の処置として” 安静・冷却・圧迫・挙上” を行うんですよね!

なのでケガをして24~48時間以内は風呂などに入って患部を温めない方がいいですし、RICEの処置をしても痛みが増すようなら病院でレントゲンなどの検査を受けて骨折が有るか?無いか?を調べる方がいいと思いますが、レントゲンで骨折がなくても腱の損傷などの場合は時間の経過とともに痛みが増す場合もあります。

僕が去年の7月に右手首を打撲した時もレントゲンでは異常はなかったけど、ある動きで痛みが出る事が続き、完治するまでには4ヶ月ほどかかりました。

軽い捻挫や打撲の場合は鍼灸治療で対応できるので、「転けてココが痛いんだけど…」とか「打ち身が出来てしまって鬱血して痛いんだけど…」という場合は症状の程度を見極めて、鍼灸治療で対応できるモノは治療しています。でも、正直なところ…骨折が隠れている場合があるので、出来れば病院で骨折の有無を判断してもらってからの鍼灸治療が望ましいんですが、「病院より鍼灸の方が効果があるから…」と捻挫や打撲で鍼灸治療を受けに来られる人もいらっしゃるんですよねぇ~(苦笑)

先日、来院されたKさん。…去年の春頃に腰痛の治療で3回ほど治療に来られていたんですが、久しぶりに連絡があり「昨日、娘の電動自転車に乗っていて転んでしまい自転車の下敷きになり右の足首を捻って、昨夜は痛くなかったんだけど、今朝から急に痛くなってきて…鍼灸で何とかなりませんか?」と仰る。

患部を見ないとわからないので、とりあえず来院してもらって患部を見たら、明らかに左の足首に比べて右の外踝が腫れていて、痛いと言われる場所に内出血がありました。

話を聞くと、乗り慣れていない電動自転車で転けてしまい、足首を底屈した状態で自転車の下敷きになってしまったらしく、1日過ぎた状態でも足首を底屈すると痛いので、歩くときにつま先を着かないように、踵だけで歩いているとの事…。御本人曰く、「体重を足首にかけても痛くないから骨折はしてないと思う…」との事でした。

まぁ~僕としては万全をきす為に、骨折が有るか?無いか?レントゲンを使って病院で診断してきて欲しかったんですが、患者さん曰く「以前、こんな感じで病院に行ってもレントゲンで骨折がなくても、牽引されたり、湿布を出されたり、リハビリさせられたりで、治るのに時間がかかったから…鍼灸ならなんとかなるかな…って…」…と仰る。

腫れてはいるんだけど、問診した限りでは軽傷の捻挫と判断したので、「もしも明日までに痛みの軽減が無かったり、痛みが酷くなっていたら整形外科に行って下さいね!」…という条件で、腫れている患部に皮膚刺絡を施しました。足首だったので2号の吸角が役にたったんですが、施術後に歩いてもらうと「足首の底屈をしても、まだ少しは痛みはあるけど、とても楽に歩ける!」と言われるので、3日後にもう一度、治療に来てもらったんですが、日に日に良くなっていて、今は患部を押せば少し痛いけど、歩くのには何も問題ないとの事でした。

刺絡療法…。ここぞ!という時に役に立つ治療法ですゎ!

続・心意気は伝承するが技術はパーツ

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以前、ブログに「心意気は伝承するが技術はパーツ。」と書いたんですが、違う意見の人も大勢いらっしゃるみたいですねぇ~。でも、時代が変われば色々な事に変化が起こるのは当然だと思うので、技術も変化していくべきモノだと思うんです…。

心意気や、想いや、気持ちは、時代が変わろうとも人から人へ普遍的に伝承して受け継がれるモノですし、受け継がれるべきモノだと思います。

しかし、「技術はパーツ」なので、技術は変化をするモノ…、もしくは変化せざるおえないモノなんですよね!
技術が変化せず、連綿と受け継がれるとするならば、その技術は時代の流れによる変化にはついていけなくなるのではないかと思うんです。

「技術が薄まる事を危惧する…」というような感じで技術の変化を求めないという事は、パソコンでOSやソフトのアップデートを拒否し続ける事と同じだと思うんですよね。技術の変化を拒否し続ければ、いずれ、その技術は使い物にならなくなってしまいます。

「そうじゃないよ!技術は伝承するんだ!」…という意見をお持ちの方は「心意気は伝承するが技術はパーツだとぉ?…基礎を学んだ上での変化は認めるが、基礎を持たない者を型無しというんだよ…」と言われるかもしれません。でも、その基礎に疑問を抱く事すら許されない世界って、すでにアップデートを拒否するモードに突入しているように思えるんですよねぇ~。

一流の人が「満足したら進歩は無い…」というような事をよく言われるでしょ!僕も、その言葉にあやかって、まだ他にいい方法があるのではないか?という気持ちを、いつも心の片隅に持っていたいと思うんです。

念をおしておきますが、これは技術の話です。技術は一代限り…。
師匠から弟子に伝わるものや、伝承とか伝統と言われるものは、技術ではなく ”心意気” とか ”想い” とか ”気持ち” なんだろうな…と思うわけです。

 

姿勢の話

姿勢

だんだん寒くなってきましたね!
3~4日前から冬用の布団に変えて、メッチャ布団の中が暖かく、朝に布団から出るのが億劫になってます。
そうそう…冬用の布団に変えてから眠りが深くなった気がします。…どんだけ寒い環境で寝てたんだ!って感じですが…(苦笑)やはり、布団の暖かさは何にも代えがたい幸せな空間を生み出してくれますねぇ~。

話は変わって…

誰でも姿勢が重要だということは理解はしてるんだけど「なかなかねぇ~」といった感じで、姿勢を直すことに積極的になれない方も多いと思います。

たぶん「姿勢を変えないと2~3日後に死にますよ!(そんな事はないんですけどね…)」…的な急を要する感じなら、一生懸命姿勢を正す事に積極的になれると思うんですが「姿勢の悪さが、そもそも体調不良の原因ですよ!」と言われても、「分かってるんだけど…今日明日、姿勢を変えたからって死ぬわけじゃないしね…」そんな事より、今晩の夕食の準備…とか、締め切りが迫ってる仕事の事…などが頭の中の優先順位では上位ランクを占めて、姿勢を直す事は優先順位の下部にランクインしてしまうんじゃないでしょうか?

常々言ってる事なんですが、病気には『程度』というものがあるんですよねぇ~。同じ病名の診断を下されても、症状が酷い人もいれば、症状が軽い人もいるわけです。なので姿勢を変えたからと言って全ての症状が良くなるわけではないんですが、全てに於いて、ものの始まりというものはあるわけですよね!重い症状であろうが軽い症状であろうが、まだ病気を発症する前段階で姿勢が影響している割合って多いと思うんです。「じゃぁ~子供のや赤ん坊の病気はどうなんだ?」って捻くれた人は質問をしてくるかもしれませんが…(苦笑)それは別の話です。· (^-^;)

先日、読んでた本に書いてあったんですが、通常、頭の重さは4~5㎏あるそうなんです。ただしこれは正しい姿勢でいる時だけで、軽い猫背の状態…中心軸より頭が5センチ前に出ていると、首や肩にかかる頭の重さは4~5㎏ではなく、13.5㎏になるそうです。スマホやら本を読んでる時の姿勢で2歳~3歳の子供を肩や首に乗せてると考えると、肩こりや首コリの原因を排除するために、姿勢を正さなきゃって気持ちになるかな?

中心軸より頭が7.5センチ前に出ていると、首や肩にかかる頭の重さは18㎏になるそうです。常に5歳の子供を肩や首に乗せてると考えると、姿勢を直さなきゃって気持ちも強まるんじゃないでしょうか?こういう状態が続くと、加えて、顎に関係している筋肉にも不具合が生じやすくなるので、なおさら姿勢を直した方がいいでしょうね!

首と肩と頭の事を書きましたが、首・肩・頭は土台となる骨盤や背骨の影響を強く受けます。なので、肩や首の症状を治す際にも腰や背中に治療を加えないと治らないものも少なくないんですよねぇ~。

どうです?姿勢を直さなきゃって思えてきましたか?

健康への近道

自己治癒力,鍼灸

先日、患者さんが「何で鍼を刺しただけで痛みが取れて身体がシャキッ!ってするのかわからんけど、鍼灸治療って気持ちいいし、凄いですねぇ~…」…と言われたんですが、ホントの事を言うと、鍼とか灸が凄い訳ではなく、身体に備わっている自己治癒力が凄いのであって、鍼とか灸は自己治癒力を手助けしているだけなんですよねぇ~。

まぁ~100歩譲って鍼とお灸が凄いという事を素直に受け入れるとするならば…(苦笑)、鍼とお灸が、もともと身体に備わっている自己治癒力を引き出しているとも言えます。

以前、「鍼と灸で病気を治すって…どうやって治すの?」って、ちょっと見下した感じで質問された事があるんです。現代医学的な思考で投薬や手術のみが ”病気を治す” 唯一の方法と考えている人にとっては「鍼を刺したくらいで…お灸をすえたくらいで病気が治るわけないじゃん!」って思うのも理解はできますが、これって身体に備わっている自己治癒力を重視していないところが盲点だと思うんですよねぇ~

身体に備わっている自己治癒力が低下しきってしまえば、どんな高価な新薬を使おうとも、どんな名医が最新技術を駆使して手術をしようとも、病気は治らないものなんですよねぇ~。

「鍼と灸で病気を治すって…どうやって治すの?」っていう質問には、身体のコリというものは、重い荷物を背負ってるのと同じなので、「コリを取る=重い荷物を下ろす」事で、身体に備わっている自己治癒力が100%機能できるようにしてあげる。身体の仕組みってそういうものなんだよ!って答えておきましたが、どこまで理解してもらえたかな?

時として投薬が必要な場合もありますし、手術が必要な場合もありますが、できれば薬とか手術が必要になる前に、身体に備わっている自己治癒力が100%機能する身体作りをする方が健康への近道だと思います。そうなるためには鍼灸治療の手助けは必要不可欠ですねぇ~。

打撲や手術痕

打撲,風呂で尻餅

先日、半年前にお風呂で尻餅をついてしまい、それ以来、座ると尾骨の辺りが痛くて座れないという患者さんが来られました。病院でレントゲンを撮っても骨にも異常が無く、日常生活でも難儀されているとのことでした。

打撲の場合、よくあることなんですが、皮膚表面から見える青タンの出来る内出血もあれば、皮膚表面からは見えない深部で起こる内出血もあるんですよね!

おおよそ、内出血でも外傷でも治る過程として、

1.まず出血を止めるために血液が固まりキズを塞いで止血効果をもたらします。…いわゆるカサブタですね!

2.その後、炎症期と言われる状態になり炎症性の細胞と呼ばれる好中球とか単球とかマクロファージという細胞がキズの周りに集まり壊死した組織を攻める?…排除?したりします。…修復しやすいように工事現場を整理するイメージでしょうか…。

3.そして、その後、修理屋さんの繊維芽細胞が出てきて新しく血管を作ったり肉芽組織を形成したりして、コラーゲンが十分に生産されると、修理屋さんの繊維芽細胞が、段々、少なくなり傷跡も修復される。

…という流れなんですが、打撲した部分が関節部分だった場合、骨と骨がくっついている部分は、もともと血管が無い場所なので、修理屋さんの繊維芽細胞は血管を作る事をせずに繊維状の物質だけでキズを修復しようとします。いわゆる繊維性の軟骨のようなものを形成するんですが、その時に周りの神経を巻き込んでキズを修復してしまうので、座った時…お尻に体重がかかった時や、仰向けに寝てお尻に体重の圧がかかった時に痛みを感じてしまうんですよ!これは、腰の手術をして手術痕が痛むという人にも、同じような理由で痛んで日常生活に支障をきたす場合があります。

こういった場合、局所に血液を送り込み繊維化している所を時間をかけてほぐしていく必要があります。いわゆるコリを取ると言うことです。ただ、一度、繊維化したコリをほぐすには、ある程度の時間がかかります。打撲の程度にもよりますが、最低でも3ヶ月、もしくは半年は必要でしょうねぇ~。御自宅で出来る対処法ですが、要は血液を患部に送り込む事が重要なので、お風呂に入る時は湯船に浸かって、毎日、身体を温めると治りは早まると思います。

ちょっと気長な治療になりますが、焦らずに治していきましょう!

鍼灸治療の真髄

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一般的に、咳が出るから咳止めの薬…。腹が痛いから腹痛の薬…。熱が出るから解熱剤…。という風な感じで、その症状を抑えるというか…治している感覚で薬を飲んだりする事が多いですよね!

鍼灸の場合も、それと同じような考え方で治療している人は、咳にはこのツボを…。頭痛にはこのツボを…。耳鳴りにはこのツボを…。というような感じでツボを選択して鍼や灸をしてる人もいますし、症状別に効果があると言われているツボの名前が記載されているような本も沢山出回ってます。(…どちらかと言うと、〇〇にはこのツボを…という治療をする治療家は初心者が多いんじゃないかな…)

…別に、この…「〇〇にはこのツボを…」という治療方法が悪いというわけではないんです。簡単に説明すれば…、基本的には体力があり、身体は元気なんだけど、よそ見してたら転けちゃう事ってありますよね!…よそ見で転けちゃう程度の咳や腹痛や頭痛などの症状ならば、「〇〇にはこのツボを…」…という簡単な治療で、すぐに治るはずです。

…でも、様々な原因で体力が低下して、身体のパワーが無くなっている状態での症状(咳・腹痛・発熱・頭痛・耳鳴り)に対しては、 「〇〇にはこのツボを…」…というセオリー通りの治療では、症状は、すぐ取れないものなんですよね!

そう言う場合…

体力が低下していたり、生きるパワーとでも言いますか…精神的にも追い込まれていたりしている患者さんには、患者さんが訴えている症状の治療もするんですが、主に身体全体を整える治療を根気よく続けて、患者さんの身体全体のパワーが上がり始め、体力がついてくると、咳に効くツボや頭痛に効くツボを使わなくても、自然と咳や頭痛などの色々な症状は消えていくものだと言う事を、目の当たりにする事があるんですよ!

そんな感じで治っていく患者さんを治療者として端から見ていると…「鍼灸治療の真髄って、症状を取る事ではなく、身体全体のパワーを上げる事で、自然と症状を消し去るように身体を導く事なのかもなぁ~」って思うんですよねぇ~。

今さらですけど…、先日、患者さんの治療をしていて、そんな風に思った次第です。…(苦笑)

基本的な考え方…

鍉鍼

僕が患者さんに例え話として、よくする話なんですが…

「最近、この車…ブレーキの効きが悪いんですよぉ~!ちょっと修理してもらえませんか?」って自動車修理工場に車を持って行くとブレーキパットの交換やらブレーキオイルの交換や補填をしてくれて、またブレーキが効くようになるわけですが、原因として経年劣化で起こる場合と、何か別な原因があって起こる場合の2通りが考えられると思うんです。

車の場合は部品交換も可能ですし、車自体を乗り換える…買い換える事も可能ですが、身体はそういう訳にはいきませんよね!

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この「ブレーキが効かない…」という現象には経年劣化、整備不良、という原因の他に、ドライバーの運転技術というのも当てはまると思うんですよ。いくら新車でも…いくら整備を万全にしていても、急ブレーキばかりかけてるような運転をしていたり、あり得ないけど…ブレーキを踏みながらアクセルを吹かしていたらブレーキパットは摩耗しますし、故障の原因になる事は誰でもわかる事ですが、これを身体に置き換えて考えてみましょう。

例えば…下痢や咳…。これは身体の中に留め置いていてはいけないモノを外に排出するために、下痢や咳などで体外に悪いモノを出そうとしているわけですが、下痢止めや咳止めの薬で、咳や下痢を止めちゃうとマズい事になるのは明らかですよねぇ~。咳や下痢で日常生活が出来ないようであれば、下痢止めや咳止めの薬を使うのは仕方がありませんが、とりあえず体力を奪うような咳や下痢でなければ、ある程度、身体に悪いモノが体外に排出されれば咳や下痢は自然に止まるものです。

「汗を人並み以上にかいてしまいます」っていう人にとっては、シャツがビチョビチョに濡れたり、女性だと化粧もできなかったりと、汗は異常なものに思えてしまうでしょうが、こういう症状の患者さんを治療する場合、僕らは、患者さんの訴えより、まず身体の声に耳を傾けます。「これって…身体は汗をかく事で気化熱を利用して体温調整しようとしてるのではないのかな?」…とか、…「という事は、東洋医学で言う内熱だから体に熱がこもるような状態を改善しないと、汗をかく症状は治らないぞぉ~!」…などなど…色々と探っていくわけですが、こういう場合は、鍼灸の治療や薬の効果を高める為に、患者さん自身が食生活を変える必要性が生じてきます。

腰痛…、肩コリ…、首のコリ…、頭痛…、膝痛…、足首の不具合などなど…姿勢だったり、癖だったりと必ず原因はあります。所謂、医療というモノは総じて身体の整備屋さんなので、できるだけ身体のポテンシャルを高く維持出来るように鍼灸師は鍼とお灸を使って…、お医者さんや薬剤師は薬を使って、患者さんの身体を整備するわけですが、車の例え話で言うドラーバーは患者さん本人なので、整備は万全でも患者さんが無理な体の使い方をすると、やはり劣化も早まりますし、治るものも治らなくなります。

「自分の身体なんだから放っておいてよ!いちいち、うるさいなぁ~!」…なんて言われる方は、いらっしゃいませんが、こと…生活改善の話をすると「…わかってますよ!でもねぇ~」ってな感じで煙たそうな顔をされる方は、結構いらっしゃいます。でも基本的な考えとして、患者さんと治療者が二人三脚で治療に取り組む事が何よりも大事だと思うんですよね!(…だから煙たがらないでね!)

患者さんが生活改善や食生活の改善をされなければ、やはり治療効果も片輪走行になってしまいます。
身体は1つですから、上手に使っていきましょうよ!

各論的思考と概論的思考

唐突ですが…、医療関係者じゃなくとも一般的に知られている超有名な漢方薬と言えば… そう!『葛根湯』
「風邪をひいたら葛根湯…」的な感じで馴染み深い漢方薬ですよね!

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落語でも『葛根湯医者』というのがあり、どんな症状の患者さんにも葛根湯を出して「これでも飲んどけ!」と患者さんに葛根湯を処方し、サゲでは患者さんの付き添いで来ている人に「なに!付き添い!そりゃぁ~御苦労なこった!退屈だろう!葛根湯でも飲みな!」(笑)…という感じで終わる噺で、所謂、藪医者を揶揄する感じの落語なんですが、裏を返せば葛根湯という漢方薬は、体調不良の初期症状に効く、とてもポピュラーな薬だという事で、やり玉に挙げられている漢方薬とも言えるんですよね。

葛根湯は発汗を促して熱を下げる薬なんですが、基本的に桂枝湯に麻黄と葛根を加えたものが葛根湯なんです。

桂枝湯は(桂皮・大棗・生姜・芍薬・甘草)の五つの生薬で構成されてます。

桂皮(シナモンですね!…これは停滞しているものを動かす作用があります。)
大棗(ナツメです。これは体を温めて興奮した腸を抑制して腹痛を緩和したりします。)
生姜(ショウガですね!…新陳代謝を高める効果があります。)
芍薬(筋肉の痙攣を緩和する作用がある。)
甘草(緊張を緩和する作用があります。)

 

話は少しズレますが…芍薬と甘草の2つだけで構成されている『芍薬甘草湯』という、筋肉の痙攣などに即効性がある漢方薬があります。…これは漢方薬を使う、お医者さんや薬剤師さんからよく聞く話ですが、漢方薬の構成されている生薬が少なければ少ないほど薬効の効果もダイレクトに効くという話があります。この芍薬甘草湯は「構成生薬が少なければ少ないほど…」の最たる漢方薬ですね!

たぶん、僕の想像ですが鍼灸師で少数のツボで治療する事を良しとしている人達は、この「構成生薬が少なければ少ない方が効く」という考え方を参考にしているような気がします。薬効がダイレクトに効くのは喜ばしい事ですが、病気というものは色々な原因が複合して起こるものです。一つの症状に効果的でも第二・第三の症状が隠れているものなので、多くの漢方薬は複数の生薬で出来ている事を考えると、少数穴に拘る必要はないと思うんですよね!

…話を葛根湯に戻します。

葛根湯は桂枝湯に(桂皮・大棗・生姜・芍薬・甘草)に葛根と麻黄が加わります。

葛根(いわゆる…葛湯のクズです。体の内部を温める効果があります。)
麻黄(エフェドリンという成分が入っていて、血管拡張の効果があり、鎮咳効果や体を温める作用で抗ウイルス効果を発揮しますが、交感神経が亢進する作用もあるので、寝る前に飲むと眠れなくなったり、スポーツ選手などはドーピング検査で引っかかったりするんです。

長々と漢方薬の話を書きましたが、薬の場合は、この成分はコレに効いて、この成分はこういう効果がある…と説明出来るので、薬の説明を聞けば「そうなんだぁ~」と納得して薬を飲む事ができますが…

鍼灸の場合はどうでしょう…?

ツボの効果や穴性というものが本に書かれていたりしますが、このツボの効果や穴性は、薬の薬効を参考に作られているという説もあります。鍼灸治療の場合、治療を受けられた事がある患者さん自身は、結果として鍼灸の効果を実感されているんだけども、ツボの効果を生薬のようにハッキリさせる事で学術的にワンランクアップさせよう…とか、まだ鍼灸治療を受けた事がない人達に「鍼灸は安全なものですよ!」という事を伝える意図の上で、出来上がってるのが穴性というものだと思うんですよね。

僕が考えるに…
鍼灸治療は80~90%くらいを、体の自己治癒能力に託した治療法だと思うんです。言い換えれば患者さんの自己治癒力をいかに上げるかがポイントとなる治療法です。なので、鍼灸師は治療しながら、患者さんへ生活改善だったり、食生活の改善など、細かい事まで指導したりします。

鍼灸師の考えの根本は概論というか、物事の概要を把握して体の凝りを取り、血行を良くして自己治癒力を高めようとします。現代医学的な考え方は、どちらかというと細かい部分を明確に数値化できたり、画像として確認出来る術を持っているので概論というより、各論的な考え方が先行するんだと思うんですよね!

なので鍼灸師の僕らが、お医者さんとコミュニケーションを図ろうとする時、漢方や鍼灸など東洋医学に理解がない、お医者さんとは、なかなか話が合わないというか…相手にされないというのが現実なんですよね。

住み分けと言えば…住み分けなんですが…

昨今の鍼灸業界を見ていると、鍼灸を各論的に考えていこうと、穴性とか…科学的にとか…エビデンスとか…現代医学の流れにすり寄る傾向が強いように感じるんですよ…。僕は全体像を把握して、体の自己治癒力を高める事が鍼灸治療の真髄だと思うんですけどね…。各論は現代医学にお任せして、鍼灸は概論的な思考で治療するという住み分けでいいんじゃないかな?

毎回、治療後に想うこと…

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今回の台風は妙なルートで上陸しそうですなぁ~!被害が出ないといいんですけどね…。

話は変わって… 来院された患者さんが、来られた時は辛い顔をされていても、帰る時は痛みも取れて笑顔で帰っていかれたりする時は、治療する側としても幸せを感じれるんですが、病気の度合いが進んでいたり、痛みの状態が酷い患者さんは1回の治療で100%の痛みが0%になって帰られるということは稀なので、患者さんが顔をしかめながら帰られる時などは、治療者として心苦しい瞬間であったりします。

でも、100%の痛みを0%に出来なくても、50%くらいに出来るように…、もしくは車のギアーチェンジの如く、治るスピードが日を追うごとに加速するように、鍼とお灸で体にアプローチしているので、もうしばらく治療に専念してもらえる事を願いつつ、患者さんを見送るんですが、患者さんが帰られた後、最善は尽くしてはいるものの「もっと何か出来ることはなかったか?… もっと違うアプローチの方法はなかったか?…」などと治療内容を振り返ったりする事もよくある事なんですね!

顔をしかめながら帰られた患者さんが2回目の治療に来られた時、「以前よりは楽になった…」というような話をされたりなんかすると、心の中でガッツポーズをしていたりするんですよねぇ~。でも2回目の来院がない場合は…正直…ヘコみます。まぁ~これが現実というか…これが臨床なんだと思いつつ、毎回、頭を使って治療をしてます。