はりきゅうふくた 丁寧な治療を心がけてます(鍼灸・福岡・早良区)

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中医学

第7回日本中医学会学術総会へ…

先週の土曜日と日曜日、熊本で行われていた日本中医学会学術総会へ行って来ました。台風の直撃が予想される中、2日間とも昼間は会場に缶詰状態だったもので、あまり台風の凄さを感じる事もなく、閉会した頃は日差しが差し込んで雲と光のコントラストが綺麗な熊本の空となってました。

この日本中医学会…。会員でもない僕がなぜ参加したのかというと、今までは東京の船堀でしか開催されていなかった日本中医学会学術大会が今回、初めて地方で開催されるにあたって、参加人数が少なくなるのを危惧し、通常は行わない一般参加を呼びかけの為にDMを近隣の関係者に送って参加者を募ったという裏事情があったらしく、僕はまんまとそれに引っかかった…(苦笑)そんな感じですね。(確かに…僕の場合、東洋学術出版から封書が届いて「日本中医学会学術総会が熊本で開催されます」って知ったんだよな…)
まぁ~それと、学生時代を含め10年間過ごした熊本へは震災の2ヶ月前に行って以来、行けていないので先輩や知人の顔も見たいし一緒に酒も飲みたいし…という一石二鳥な側面もあったものでこの2日間は充実したものになりました。

学術大会で感じた事ですが、僕自身、根無し草なんもので…(苦笑)「中医だろうが和法だろうが人の身体を治療する事には変わりなからイイ方法ならば利用する。」というスタンスなんですが、中医学(中国医学じゃなくて中医学ね!)自体が人に分かりやすく説明出来る事を前提に構築されているものなので、初学者や西洋医学とは別な治療法を求めている人達にとっては、とっつきやすいんだろうなぁ~。コレって中医学の強みだよなぁ~って感じた反面…、長年生きてるとよく出くわす事なんですが「分かりやすさ=眉唾なものも多く思考停止しがち」という図式も世の中の慣わしとして厳然とあるので、そのへんも注意しながら接した方がよさそうだ…と感じました。(こんな事を思うのは僕が天邪鬼なせいもあるんですけどね…(苦笑))

一番面白かったのが大会の最終日にあったシンポジュウムでした。『穴位効能の意義と標準化』というタイトルで有名な先生方が色々とお話しされてまして…。僕は以前から鍼灸治療の基本は経絡の疎通であって、その経絡上に現れる異常がツボというものであり、そのツボへお灸や鍼を施す事で経絡の疎通を図るのが鍼灸の基本的な治療だと思っているんですが、それでも効かない場合は、その治療プラスの陰陽配穴であったり巨刺であったり子午流注であったり特効穴であったり…と変化球的な治療法をしたりしています。

野球での投手の投球術に例えるならば、基本的にストレートがしっかり投げれるからこそ、スライダーやホークやカーブなどの変化球が生きてくる…。(「経絡の疎通=直球」という例え話です。)穴性って細かく細分化してしまう事になるので、理解しずらくなる原因のような気がするんですよ。

僕はどちらかというと穴性に関しては否定的な考えではあるのですが、学会として『研究』という事であればどんどん研究されてかまわないと思うんです。…が、教育という段階で初学者や学生には穴性について、あまり教えない方がいいと思うんですよねぇ~。またまた野球を例え話にしますが…変化球ばかり最初に教えちゃうと肩や肘を壊しちゃう…そんな感じでしょうか…。穴性を初学者に教えると経絡とかはあまり考えずに「症状=このツボ」的な感じでハンコで押したような治療しか出来ない治療者が増えちゃうような気がするんですよねぇ…。まぁ~よそ者の戯言でございます。

1日目の日程が終わった土曜日の夜は大学の時の先輩とよく行っていたホンキートンクにも行けてトールさんの元気な顔もみれたし、楽しい熊本2日間でございました。

攻撃的だなぁ~と思いつつ…

中医学の誤謬と詭弁

東京は麻布のマニアックS先生がツイッターで紹介されていた本『中医学の誤謬と詭弁』
攻撃的なタイトルだなぁ~と思いつつ面白そうだな…と思い読んでみました。

歴史を探る時や古典を読む場合は、その背景を知った上で学ばないと、その後の別な時代の色々な考えが雪だるま式に膨らんで、奇妙な考え方が構築され崇拝される事があるので(ある事無いことをゴチャ混ぜにして「昔は凄かったぁ~~!」…とかね。)、現代人が過去の医学書を読む時は気をつけて読まねば…と常々思っておりました。

この本にも「現代医学の先入観を排除して解読しないと…」って何度も書かれてましたし、その辺を正すつもりで書かれた本なんでしょうねぇ~。

東洋医学・鍼灸も色々な流派…学派があり、その時代、時代で書かれた書物が沢山あるわけですが、とどの詰まりが「どの宗教を信じてますか?」…という感じと同じで、あなたは鍼灸・東洋医学のどの時代の考えをベースにされていますか?…1つに絞る必要はないけど、おおむねこの時代辺りの考えとか…、また別の時代の、この先生のこの考え方もアリだと思うし…云々。というように何か基準となる考えが、どの治療者にもあると思うんですよねぇ~。(無い人もいるかも知れないけど…(苦笑))

そう言えば、この本の冒頭で「稚拙」という言葉がよく出てるのがチョット気になったなぁ~。現代医学・科学を基準として過去の医学に対し「稚拙」という言葉が使われているけど、そこまで否定的なスタンスだと古典から発想とか創造する思考にはなれないような気がするなぁ~。所謂、再現性を重視する「科学」以外は医学ではないというのが、この本の著者の考え方なんだろうか?…なんて想像しちゃいますが、本を読み進めると、多くの人達が勘違いしているであろう中医学の矛盾点をしっかり突いてるところは凄いなぁ~って思います。こういう本ってなかなか無いし、とても面白かったです。

弁証論治=考える事

弁証論治

先週の日曜日、鍼灸学校の校友会(卒業生を対象とした講習会)で李世珍さんのお孫さんの李揚さんの講演を聞いたんですが、中医学(中国医学じゃなくて中医学ね!…)って広める事を前提に作り上げられているから、理屈とスジは通っていることが多いなぁ~と感じる反面、臨床上「それだけでは解決出来ない事の方が多いんだけどな…」…と正論を説く中医学に対して牙城を崩したくなる性分の僕…(苦笑)

でも、互いに相手の悪い所を言い合っていてもラチがあかないので、ここは互いに改善策を出し合うことで前に進んだ方が良いと思うんですよね!僕からの提案なんですが学生さん達に弁証論治を教える時、教え方を変えた方がいいんじゃないでしょうかね?

弁証論治って僕らの世代は学生時代から教わってますが、イメージ的には…例えとして(肝風内動)とか(肺気上逆)とか…四文字熟語探しのイメージが強いので多分、習っていても運用しずらいと言うのが本音じゃないかと思うんですよね!

でも僕らは結局の所、患者さんと向き合う時、症状を聞いたり、身体の状態を探ったりして、なぜこの症状が出ているのかを考えてるはずなんですよね。で…色々と知識や経験を踏まえた上で治療ポイントを決めて鍼やお灸をする。これって結局は自分なりの弁証論治をしているという事なんですよね。本や教科書に、あたかもコレが正解です!と言わんばかりに四文字熟語が書かれてますが、なにも本に書いてあるだけが正解ではないと思うんです。ただ「知識や経験が浅い人は情報量が少ないので、症状を治す事が出来ないかもしれないから色々と勉強しましょう!」…でいいと思うんですよ。

「弁証論治=中医学」というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、日本の後世方派の元祖である曲直道三も「察証弁治」という治療システムをとりいれてますし、この際だから中医学だの和方だのの壁を取っ払って「弁証論治っていうのは治療の行程を考える事なんだ…」という事で、学生さん達に教えた方が分かりやすいと思うんですよねぇ~。

なんか「弁証論治」って言葉…肩苦しくって…敬遠しちゃうんですよねぇ~。

まじめな事を書いたら、疲れたから…風呂に入りたくなってきたぁ~。
温泉に入りたいなぁ~~ばばんばばんばんばん~♪

この本、おもしろい!

中医学,漢方

たまには、怒り・音楽・お酒のネタではなく鍼灸関係の話も書かないと…ね。(笑)

この『漢方薬の考え方、使い方』っていう本…色々と網羅されていて面白いです。
この本を書かれているお医者さんは中医学をベースにされてる方なのか?…どちらかと言うと中医学的な視点での文章にはなってるとは思うんですが、漢方薬…まぁ~所謂、東洋医学…の歴史・時代背景を織り込みながらわかりやすく解説してくれてるので、僕ら鍼灸師でも面白く読めると思います。

まぁ~西洋医学?現代医学の基礎?が日本に入ってくるまでは、お医者さんも鍼、灸、瀉血、漢方薬を使い治療していたわけですし、歴史的背景や先人達が試行錯誤してきた過程は知っておくべきかな…と思います。

なぁ~んて偉そうな事を言ってますが、僕もまだまだ知らない事が多いですし、色々と雑学的な事を知ると、治療に幅が出るとでも言いますか…発想の転換…ひらめきが生まれやすくなるように思えるんですよね!

兎にも角にも、この本は読んでおいて損は無いと思いますので、鍼灸関係の友人に勧めたい本ですね!
(あっ!この本の著者の先生とは全く面識もなく、販売促進に手を貸すという類いではありませんので…あしからず…(笑))