はりきゅうふくた 丁寧な治療を心がけてます(鍼灸・福岡・早良区)

   お灸と鍼で病気を治す   

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09月

音楽好きの鍼灸師としては…

打てば響く,竹村文近,大友良英,鍼灸

もう一度、読みなおしてみようかな…と思い、棚から引っ張り出して読んでみたんですが、科学的・非科学的に対してのお二人の見解…面白かったなぁ~。本にも書いてありましたが、大友さんが言われている「人間ってどうも性急な答えを求めたがる…、科学はそういう時に本当に便利なものだったんだけども、本当の科学っていうのは、根拠や答えを性急に出すためのものではなくて、ものの真理を考えたり発見するための、一つの大きな方法であるんだけど、それだけではパーフェクトではない…」…って解釈、凄く腑に落ちるわぁ~。

それと、「音楽のリズムは一人で作るものと複数で作るものとでは全然違います。もちろん一人でもリズムは作れますが、人数が増えるとまったく違う事がおきます。単にテンポを共有する、合わせるって事ではなく、お互いに引っ張り合うことで独特のグルーブ感が生まれてくるんです…。」…これ…バンドやってる人間としてはよく分かるわぁ~。実はこれって音楽に限らず全ての事において当てはまる事なんですよねぇ~。だから学会とか交流会とか勉強会とか…色々な名目で人が集まるんでしょうねぇ。

竹村さんがヒマラヤに行かれた時の話で、シェルパの人が「子供の具合が悪いので診て欲しい」母親と赤ちゃんを連れてきたそうなんですが、竹村さんは、赤ちゃんの状態を見て「これは自分の分野じゃない…」と判断して「早く診療所に行くように…」と言うと、母親は落胆した感じでテントを後にしたそうなんですが、その時に竹村さんの師匠にあたる人の「痛みのレベルが、もし1メートルあったら、治療で1センチでも1ミリでも下げる事で人間の身体は楽になるんだよ!治す事より、時には、ほんの少しでも楽にさせて送り出す事も大切なのだよ…」という言葉を思い出し、母親と赤ちゃんを呼び戻し、施術したらグタ~としていた赤ちゃんは勢いよくオシッコをして大きな声で鳴き始めた。…という体験談が書かれていたんですが、この「治すのはもちろんだけども、治す事より、時には、ほんの少しでも楽にさせて送り出す事も大切…」という言葉…。これは治療する僕らは勿論の事、治療を受ける患者さんも自分の身体の声に耳を傾ける感じで、みんなが自覚しておかなければいけない言葉のように思えるんですよねぇ~。

最近、薬を飲めば…注射を打てば…手術をすれば…何でも治ると勘違いしてる人が多くなってるように感じるんですよね。

『銀河鉄道999』じゃ無いんだから…機械の身体は手に入れられないわけですしね…もっと自分の身体の訴えに耳を傾けなければ…。

 

第7回日本中医学会学術総会へ…

先週の土曜日と日曜日、熊本で行われていた日本中医学会学術総会へ行って来ました。台風の直撃が予想される中、2日間とも昼間は会場に缶詰状態だったもので、あまり台風の凄さを感じる事もなく、閉会した頃は日差しが差し込んで雲と光のコントラストが綺麗な熊本の空となってました。

この日本中医学会…。会員でもない僕がなぜ参加したのかというと、今までは東京の船堀でしか開催されていなかった日本中医学会学術大会が今回、初めて地方で開催されるにあたって、参加人数が少なくなるのを危惧し、通常は行わない一般参加を呼びかけの為にDMを近隣の関係者に送って参加者を募ったという裏事情があったらしく、僕はまんまとそれに引っかかった…(苦笑)そんな感じですね。(確かに…僕の場合、東洋学術出版から封書が届いて「日本中医学会学術総会が熊本で開催されます」って知ったんだよな…)
まぁ~それと、学生時代を含め10年間過ごした熊本へは震災の2ヶ月前に行って以来、行けていないので先輩や知人の顔も見たいし一緒に酒も飲みたいし…という一石二鳥な側面もあったものでこの2日間は充実したものになりました。

学術大会で感じた事ですが、僕自身、根無し草なんもので…(苦笑)「中医だろうが和法だろうが人の身体を治療する事には変わりなからイイ方法ならば利用する。」というスタンスなんですが、中医学(中国医学じゃなくて中医学ね!)自体が人に分かりやすく説明出来る事を前提に構築されているものなので、初学者や西洋医学とは別な治療法を求めている人達にとっては、とっつきやすいんだろうなぁ~。コレって中医学の強みだよなぁ~って感じた反面…、長年生きてるとよく出くわす事なんですが「分かりやすさ=眉唾なものも多く思考停止しがち」という図式も世の中の慣わしとして厳然とあるので、そのへんも注意しながら接した方がよさそうだ…と感じました。(こんな事を思うのは僕が天邪鬼なせいもあるんですけどね…(苦笑))

一番面白かったのが大会の最終日にあったシンポジュウムでした。『穴位効能の意義と標準化』というタイトルで有名な先生方が色々とお話しされてまして…。僕は以前から鍼灸治療の基本は経絡の疎通であって、その経絡上に現れる異常がツボというものであり、そのツボへお灸や鍼を施す事で経絡の疎通を図るのが鍼灸の基本的な治療だと思っているんですが、それでも効かない場合は、その治療プラスの陰陽配穴であったり巨刺であったり子午流注であったり特効穴であったり…と変化球的な治療法をしたりしています。

野球での投手の投球術に例えるならば、基本的にストレートがしっかり投げれるからこそ、スライダーやホークやカーブなどの変化球が生きてくる…。(「経絡の疎通=直球」という例え話です。)穴性って細かく細分化してしまう事になるので、理解しずらくなる原因のような気がするんですよ。

僕はどちらかというと穴性に関しては否定的な考えではあるのですが、学会として『研究』という事であればどんどん研究されてかまわないと思うんです。…が、教育という段階で初学者や学生には穴性について、あまり教えない方がいいと思うんですよねぇ~。またまた野球を例え話にしますが…変化球ばかり最初に教えちゃうと肩や肘を壊しちゃう…そんな感じでしょうか…。穴性を初学者に教えると経絡とかはあまり考えずに「症状=このツボ」的な感じでハンコで押したような治療しか出来ない治療者が増えちゃうような気がするんですよねぇ…。まぁ~よそ者の戯言でございます。

1日目の日程が終わった土曜日の夜は大学の時の先輩とよく行っていたホンキートンクにも行けてトールさんの元気な顔もみれたし、楽しい熊本2日間でございました。

もう一度読みなおしてみた…

99.9%が誤用の抗生物質

僕は本を読む時、1冊をじっくり読むのではなくて平行して何冊かを読むことが多いんですが「あっ!コレ面白そう!」「この本も面白そう!」とか調子付いちゃって、読む本が多くなると、途中で読むのを頓挫してしまう本もあったりするんですよねぇ…。

この『99.9%が誤用の抗生物質』も途中まで読んでいて、放ったらかされていたんですが「もう一回最初から読みなおしてみるべ!」と読んで見ると、やっぱ面白い!

抗生物質って一言で言っても「マクロライド系」とか「ペニシリン系」とか「セフェム系」とか…あと数種類あるという事だけは知ってましたが、それぞれ色々と用途が違ったり、第一世代…第二世代…とか、新たに開発されていたりして…「抗生物質」という名前で一括りに出来ない感じですなぁ~。

面白いなぁ~って思ったのが「日本の感染症の黒歴史」という章の中に書いてあったんですけど…、日本は抗生物質の開発能力は高いのに臨床応用が下手らしんですよねぇ~。戦後、日本の医薬品審査や承認は厚生省が行っていたけど薬害による批判を恐れて「とにかく副作用は出さないように」という点が最優先になり、ある抗生剤では世界標準は1日1回500mg投与だったのに対して日本では100mgを1日3回となっていたために薬効も低いうえに薬剤耐性菌の増加を促している原因になっていたらしいんですよねぇ~…今は随分改善されてはいるものの、ジェネリックなどは、そのままの表記で流通しているものあるらしいですゎ!…怖い怖い!

この本を読んでいて、ちょっと思い出した事があったんですよねぇ~

鍼灸の世界でも鍼を深く刺すのを嫌っている学派の人達がいらっしゃいますが、以前…その学会の重鎮の先生に「この学会の祖とされている柳谷素霊さんは書籍によると深く刺して治療されていたようですが、なぜこの会は深く刺すのを禁じて浅く刺す鍼を推奨するんですか?」って、質問したところ「まだ試行錯誤の段階なんです。深く刺すと組織を損傷させてしまう恐れがあるでしょ!?鍼はむやみに深く刺すモノじゃない!浅く刺しても十分効くんだから、深く刺す必要はないでしょ!」とたしなめられたのを思い出しますが、これに関しては未だに慴伏しかねますなぁ~。まったくもって「とにかく副作用は出さないように…」という考えと一緒としか思えない…(苦笑)

この本を読むとお医者さんでも抗生剤の用途を把握してない人もいるらしいし、ましてや素人判断で抗生剤を飲んだり、処方された抗生剤を勝手に飲むのをやめたりするのはダメだよねぇ~って思いますなぁ~。